2022年の前期工房展が終了いたしました。
コロナの「まん防」の最中、また、荒れ模様の天候のなか、会場にお越しいただいた方々には深く感謝申し上げます。
また、SNSなどで広報して下さった方々、工房展の様子をSNSなどで広報して下さった方々にも深く御礼申し上げます。
私は常々「創作は作る側だけでは成り立たず、受け止めて下さる方がいらして初めて成立する。創作の喜びは作り手とお客さまで共有出来るのである」と考えているのですが、それを実感いたします。
作り手である私どもが自ら展示会を開く事には、制作上にも大きな意味があります。
実際に着物をお召になるお客さまがたと直にお話出来る事、私どもが制作した着物や帯をご着用されたお姿を拝見出来る事、その他その他、制作する側としては大変に参考になる事ばかりです。
しかし・・・私どもは、基本的に制作が中心の生活を送っておりますので、展示会の運営その他、なかなか至らないところもございますが、どうかお許しを・・・何かありましたら、遠慮なくご指摘下さい。m(_ _)m
ここ数年のコロナ禍のなか、いろいろな和装関係の人々が、それぞれの考えで活動しております。
そのなかで、私どものような名もない零細の工房が、社会に対してどのように自らの創作を発信し、その創作を役立てていただくか?・・・と考えましたが、私どもに出来る事は
「創作的な誠実さを持って、伝統を踏まえた新しい創作を発信し続ける事」
結局、これしか出来ません・・・
ようするに、今までやって来た基本姿勢を変える事なく、より視野を広く持ち深く掘り下げ、より創作的な行動をし、発信する、という事です。・・・こんな時だからこそ、より誠実に創作的であろうと決めました。
そのような考えから、去年(2021年)から工房展を、自工房ではなく、外部のギャラリーをお借りして開催するのも良いかも知れない、と「外部工房展」を始めました。より多くの方々に「私達の創作を直接手渡ししたい」と考えたからです。
私どもの制作姿勢と作品は、当人たちは全く日本の伝統文化の真ん中をやっているつもりなのですが、いわゆる呉服の業界からはそう思われていないところがあります。一般的な呉服の価値観とは違う美意識で制作しているからなのですが、やはりそれはなかなか広がりません。
しかし、私達自身が、普段SNSやnoteなどで発信している事を、作品と共に直接お客さまへお伝えするとそれはやはり通じやすいと実感します。お客さまは、私どもの制作姿勢や作品を変だとは思われないのです。
どうしても、制作に関する説明などがクドくなってしまい勝ちになるのは申し訳ないのですが、それでも話を聞いて納得した、分かりやすかった、何より楽しかったとおっしゃって下さる方々が多く、工房展を開催する意味を感じます。
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工房が新宿区西早稲田→板橋区赤塚新町(駅は成増が至近)と移転し「以前より遠くて工房展に行くのが面倒!」とお叱りを受ける事も多いので、これからは年1~2回の工房展はすべて都心部のギャラリーをお借りして開催し、別に「工房開放日」で(工房に予約なく訪れて良い日。ここ数年開催しております)和装文様染の制作の現場をご覧いただき、和装や絵画制作のご相談を受けたりするのも良いかも知れない・・・と考えたりもする今日この頃です・・・
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皆さまのご支援に本当に感謝です。
一層、創作に邁進したいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
フォリア代表 仁平幸春 構成員一同